浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

16x16の世界

◆小学校に上がるか上がらないかだったか、はじめて買ってもらったゲームがポケモン金だった。ゲームは一日一時間を律儀に守りながら毎日やっていたが、これが本当に難しかった。まず家から出ることが難しい。なんか赤いドットの塊が下の方にあって、そこをさらに下にいくと外に出れるが、なぜそうなのかはわからなかった。あれが絨毯を表現していることを気づいたのはもう割と大きくなってからのはなし。あと段差というよくわからない綱みたいなオブジェクトがあって、上からは通れないが、下から突っ込むと、なにやら陽気な音がして通れてしまう。これに関しては未だによくわからない。5歳か6歳の頃って、ありのまま見た世界しか知らないから、デフォルメされた世界を見せられると困惑してしまう。記号的表現を理解するにはある程度のお約束を覚える必要があるんだけど、自分にとってほぼ初めてのゲームだった*1もんだから、そのお約束が通用しない。漫画とかもそうで、小さい頃は全然読めなかった。ドットのあの抽象的な感じが上下左右で動き回るあのフィーリングというのはほんとに強烈で、ドット絵のRPGをやると今でも幼い頃のあの感じが蘇ってきてしまう。暗いのが怖くて常夜灯をつけて貰っていたあの夜。母の柔らかい手。父の硬い手。時間と空間が無限に広がっているような感覚。

*1:SFCのソフトは家にあった。あれくらいのグラフィックだとまだ割とすんなり入れた