浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

2024-01-01から1年間の記事一覧

なぜ靴下は決まって片方なくなるのか

◆答えは単純で、両方なくなったら、なくなったことにさえ気づかないからだ。靴下に限らず、無自覚な喪失というものがある。これは時として意識される喪失よりも深刻で、対処のしようがない。金を失ったら仕事をすればよい。愛を失ったら愛を買えばよい。コン…

躁鬱だけど任せとけ

◆気温が乱高下するのに合わせて、テンションも上がったり下がったりでたいへんだ。特に昨日はひどくて、うろ覚えのプリキュアのOPを鼻で歌いながら晩ごはんの準備をしたかと思えば、急に死は避けられないことを思い出して狼狽えたりして、それを誤魔化すため…

自信のない鶏団子

◆今日は寒い。薄々気づいていたけど、スーパーの帰り道、交通量の割に待たされる信号の下で確信に変わった。今日はなにもせぬまま一日が終わった。実際はそんなことはなく、なにかしたから一日が終わったのだろうが、感覚としては本当になにもしていない。せ…

十四才

◆丸亀製麺でぶっかけうどんを食べた。口の中にネギの匂いがまだ残っている。また春が近づいてくる。少年の自分がまだ俺の中に消えずに残っていて、時に駄々をこねる。そいつはループする学生生活のなかで、友達と延々スマブラに興じている。あるいは3Pシュー…

アシックスの靴も痛い

◆マットレスをいいやつに変えた。これまでニトリの安いやつを使っていたが、この前飲みすぎて卵を産むピッコロ大魔王みたくゲロを吐いてしまい、その一部が付着したもんでちょうどいい機会だと買い替えた次第。で、買い替えたはいいものの、明らかに中途覚醒…

とるにたらないもの

◆昔の写真を整理していた。最近はめっきり写真を撮らなくなった。GRの電池もちが悪くなったからというのもあるが、撮る切実さがなくなってきたからだろう。昔は写真を撮るという行為が一つの救いであった。なにもない一日が、写真を撮って見返すことでなにか…

デブリ

◆過去最高を更新し続けている。体重の話である。太れない体質だとか嘯いていた若かりし頃が遠い過去のようだ。なぜ太ってきたかというとそれは食べる量が増えたからである。外食すると、大盛りを頼んでしまい太る。コンビニとか弁当屋は揚げ物ばっかなので太…

死ぬのが怖い

◆最近、死ぬのが怖い。生まれてからついぞ抱かなかった感情だから、どう処理すればよいのか途方に暮れる。物心ついてから種々に怯える人生を送ってきたけど、死は別に平気だった。というのも生が怖かったからだ。つらかろうが苦しかろうが、生きている限り我…

雪解星

◆雪解星は早春の季語で“ゆきげぼし”と読み、木の周辺だけ雪解けが早いさまを星に見立てた言葉らしい。雪国に暮らした経験がないのでぼんやりとしたイメージしかできないが、好き。ただ、語感だけはワキ毛に似て少し残念な感じがする。2024年になった。今年こ…