浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

カロメを買う

◆カロメを買う。とだけ書かれたメモが部屋の床に落ちていた。カロメとはカロリーメイトのことである。こんなメモ書きを残さなくても俺は勝手にカロメを買うし、買った分だけカロメは減っていく。不思議なのは俺は普段カロリーメイトのことをカロメと略したりしないということだ。そのためカロメという文字からカロリーメイトを想起するのには少々時間を要したのだった。

◆唐突に本を読みたいな、と思った。読書は好きでも嫌いでもないが、本というフィジカルな存在は好きといえる。書店や図書館のように、本がたくさん並んでいるのを見ると、なんというか救われた気持ちになる。自分とは全く無関係な世界がきちんと存在している、というのが自分にとっての救いとなる。いつもと同じ場所に住み、いつもと同じ場所で働き、いつもと同じメシを食い、いつもと同じサイトを巡回していると世界って狭いのではないかと錯覚してしまうけれど、そうじゃないのだという証拠があるのなら頑張れる気がする。