浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

同窓会に来たがらないやつと同窓会したい

◆有休消化。とりあえず実家に戻った。せっかくなら旅行にでも行けばよかったなあと思う。でも行きたいところも特にない。母親ともそういう話をした。あと老後の話とか。実家に戻るとテレビがあるので、テレビを観る。4Kでネコ歩きを観た。4Kの猫は破壊力がある。毛の一本一本が見える。特別な猫を撮っているわけでもないのに、すごく愛おしく感じる。似たような野良猫はその辺にうろついているはずなのに。見せ方がうまいのだろう。レコーダに溜まっていた漫勉を観る。なんつーか、漫画家ってたくさん居るよな、って思う。漫勉に出てくる漫画家は決してマイナーなわけではないけど、読んだことのある漫画家って案外居ないのよな。新井英樹の回を観た。ブックオフでパラパラ立ち読みして、こりゃエネルギーがすごいな、きちんとまとめ買いして襟正して家で読みたいな、と思って結局読まずに何年も経つ。エネルギーのあるものは受け手のエネルギーも必要とする。今の時代は偶然性が失われてるんすよ、みたいなニュアンスのことを言ってて、すごい共感した。マッチングの時代になっている。就活とか恋活とか婚活とか、こっちの要望と相手の要望がマッチしたら、おめでとうみたいな感じだけど、すごく違和感がある。自分がやりたい仕事が必ずしも自分にとっていい仕事だとは思えない。恋人とか結婚相手もまた然り。だいたい求める条件ってのが怪しい。ラーメン食べたい気分だったけど、いざ食ってみるとなんか違った、もっとあっさり系がよかった、みたいなことはあるし、日替わり定食についてきた小鉢がめちゃくちゃ美味しかったりする。でもそれは日替わり定食の小鉢なのでもう二度と出会うことはなかったりするわけだ。マッチングという制度はそういうものを切り捨てがちだなと思っている。もっと偶然性を増すシステムはないのだろうか。お互い興味のない人同士がマッチングするアプリ。同窓会に来たがらないやつと同窓会するシステム。それは地獄っちゃあ地獄だが、たとえば学校というのはそれに近いものだった。束縛が多様性を生む、パラドキシカルな環境。