浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

重力は四天王の中でも最弱……

◆今日は暖かい日だったので、バイトを辞めた。太陽が眩しくて人を殺すのはさすがにいただけないが、バイトを辞めるのは別にどんな理由だろうとかまわないだろう。とはいっても急にバイトを辞めるのは初めての経験だったので、おっかなびっくりしながら退職の電話を掛ける。向こう側の人間の対応を見る限り、人が辞めるのはごくありふれた日常なのだろう。まあそういう感じのバイトではあった。多産多死型バイト。

◆近ごろ、公園人気がにわかに上昇している。平日の昼下がり、学ランやらセーラー服を着た集団が公園で遊ぶ姿をよく見かけるようになった。それとは無関係に、ベンチに座って酒を飲んでいるおっさんが居る。おっさんは昔から居る。今日はスーパードライを飲んでいた。ストロングゼロでも氷結でも金麦でもバーリアルでもなくスーパードライを飲んでいた。孤独に見える人間を見ると安心する。自分が孤独だからだろう。そのくせ近くに入られるとしんどくなってくる。引力より斥力のほうが強くて、どんどん離されてしまう。重力というのが弱すぎるからいけないのだ。きっとそうだ。