浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

断片015

◆薬指のあたりに擦り傷をこしらえた。痛いというほどではないのだけれど、お風呂に入ったときに染みるので、何年かぶりに絆創膏を貼ってみたのだが、これがいい。なにがいいって、絆創膏の匂いがいい。自分はわりと病院大好き人間で、身体の不具合が大したことない場合も病院に行くのだけれど、あの病院の匂いがご家庭で手軽に味わえる。病院の清浄な香り、文明を感じて好き。病院は楽しい。思えば、病という人間が抱える中でもトップクラスに厄介なものを、ムダに高度に発展した科学技術で、あれこれ頭のいい人たちが頑張った結果として病院は存在している。言うなれば、病院という施設は人間の科学技術の結晶なわけで、ロケット発射場とか飛行機とか原子力発電所とか巨大ダムに相当するくらいワクワクしてもいいはずだ。そうだ、病院は楽しいのだ! あ、でも注射は勘弁な。絶対それよりいい方法あるだろ。科学技術もっと頑張れよ。