浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

豚汁は世界を救う

豚汁ぶたじるは世界を救うのだ。少なくとも豚汁は俺を救っている。唯我論的には俺なしの世界など存在し得ないので豚汁は世界を救うことになる。さて、如何にして豚汁は俺を救うのか。豚汁は俺に野菜を摂取する機会を与えてくれる。野菜は高い。特に外で食べようとすると、肉より高いこともある。そうなると、いつの間にか食事から野菜が消えてしまう。由々しき事態だ。野菜は好きだが、残念ながら肉のほうが好きなのだ。それで肉のほうが安いなら出番が減るのも仕方ない。それ以上に嬉しいのは、献立を考えずに済む点だ。自炊において、最も面倒なことは献立を考えることである。豚汁を作る。すると豚汁が一汁であり一菜になる。これに納豆でもつければ立派な夕食になる。豚汁は畢竟具だくさんのみそ汁であるから、そうそう飽きることもない。豚汁は自由だ。具材には何を入れても許される。個人的には汁が甘くなる具材、例えば玉ねぎとかキャベツとかは入れないけれど、別にそれも入れていいし、入れたらそれはそれで美味しいことも知っている。今晩の豚汁は大根、人参、ごぼう、油揚げ。オーソドックスですな(桂米朝)。