浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

断片021

◆シャッフル再生で音楽を聴いていると、ブルーハーツの「青空」が流れてきた。名曲だ。名曲には相違ないが、この曲を知ったのは小学校の卒業式で歌わされたからで、ブルーハーツの作家性を鑑みると最悪に近い出会い方だと今は思う*1。小学校、中学校を振り返ると、尾崎豊が好きで、ちょっとしたイベントでシェリーを歌う教諭も居た。好きなこと自体はなんら問題ないし、俺だってブルーハーツ尾崎豊も好きではあるんだけど、それが好きなことを教諭という立場で表明するのは醜悪だ。社会への反抗というテーマを、体制側が賛美する。そのダブルバインド的な状況を俺達は甘受しなければならなかった。


◆思い出しついで。中学の頃、自分の好きな歌を紹介しましょう、紹介文をプリントに書きましょうみたいな音楽の授業があった。何が悲しくて学校の授業なんかで自分の好きな歌を紹介しなくちゃいけないんだ、年頃の人間にとって好きな歌は、好きな異性まではいかなくとも、それに準ずるプライベートな事柄だろうに。自分の好きな歌なんて書くつもりもなかったから、適当に校歌と書いて出した。それを見た音楽教諭が、俺のことを中学生にもなって好きな歌もない、感受性の欠落した人間を見るような目をしたので*2、感受性が欠落しているのはテメーのほうだ、と思った。

*1:数あるブルーハーツの曲の中で青空を選んだのは、先生という立場からは正解とは思う

*2:大概な被害妄想ではあると思う