浅窓の平常

To the happy (or unhappy) few

断片009

◆この前昼ごはんにうどんを食いに行ったのだけれど、いつもそれなりに多いはずの場所なのにガラガラでびっくりした。ちょうど桜が満開だったから、みんな弁当でも買って公園で桜を見ながら食べてたのだろう、と推理したが、それにしてもガラガラだった。桜の力恐るべし。多分他の店も商売上がったりだったんだろう。代わりに弁当屋とコンビニは稼ぎ時だったろうなあ。個人的には桜は嫌いで、というのも桜が咲く時期にいい思い出がないからだ。桜が咲く時期は、人間関係や環境がガラリと変わってしまうことが多い。環境の変化は自分のような人間にとってはそれなりの負担で、しばらくのあいだ不安と憂鬱と高揚とがないまぜになったような気分に陥る。環境が変化しない年も、条件反射で桜を見ると心がざわざわしてしまう。逆に自分が好きなのは金木犀。生活にも慣れてきて涼しくなった頃、控えめな見た目とそれなりに強烈な香りで金木犀が主張しだすと、なんとなくホッとする。